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米国の医療従事者は、医療用大麻についてどう考えているのか?

カート・ハーン 18/03/2022 0 comments

世界的な合法化及び臨床研究の進展と共に、医療用大麻含むカンナビノイド医学の社会的認知度が高まりつつある中、未だ大麻は社会悪であるという政治的理由によって、時に科学研究の真実が社会の大きな声にかき消されることがあります。特に日本では、大麻への偏見・スティグマが根強く残り、また大麻取締法が足枷となり研究が不足していることで、結果、立法者も世界的な合法化への潮流にどう対処すべきか頭を悩ませています。そこで今回、米国の医療従事者の医療用大麻に対する意識調査の報告書を以下にまとめました。それら結果は、あなたを驚かせることになるかもしれません。

調査結果その1:米国の医療臨床医と医学生の大多数が、治療法としての医療用大麻の使用を支持している。 

Cannabis and Cannabinoid Research (April 2021):米国疾病対策予防センターの研究者がまとめた全米の調査データによると、開業医のほぼ7人に1人が医療用大麻の使用を支持し、また、痛み(73%)、ガン(72%)、吐気(61%)の治療に大麻の使用を支持する傾向が強かったと報告している。

Cureus (November 2021):2018年10月にカリフォルニア州サンディエゴで開催された全米最大のEM学会(American College of Emergency Physicians’ Annual Conference)に参加した米国医師を対象に、大麻に対する意識調査を実施した。アプローチした数千人の学会参加者のうち、539人の米国医師が匿名の書面調査に協力し、これは学会に参加した米国医師の15.2%に相当する。調査データによると、参加者の過半数(70.7%)が「大麻には医療的価値がある」と信じていた。

Nurse Education Today (April 2021):米国とイスラエルの看護学生を対象にまとめた調査データによると、回答者の大多数が「医療用大麻が心身の健康に大きな効果をもたらすことに同意する」と報告している。

Medical Association of the State of Alabama (April 2021):アラバマ大学の研究者がまとめた州全体の世論調査データによると、医療用大麻の使用が医師によって許可された場合、医療専門家の70%がその使用を支持したと報告している。

Boston Medical Care:(January 2019):ミネソタ州の医師をはじめとする医療臨床家を対象とした州全体の投票データによると、「医療用大麻は正当な医療療法である 」とする医療従事者が過半数(58%)であったと報告している。

NYU School of Medicine (July 2017):ニューヨーク市またはその周辺地域で開業する医師を対象とした世論調査データによると、「医療用大麻を患者の選択肢とすべき 」と考える回答者が71%に上ったと報告している。

American Journal of Pharmaceutical Education (August 2015年):2015年に調査した薬学生のうち、過半数(59%)が 「医療用大麻は全州で合法化されるべきだと感じている 」と回答している。

WebMD/Medscape:2014年にWebMD/Medscapeがまとめた全米の世論調査データによると、67%の医師が「患者のための医療オプション 」として大麻の使用を支持していることが報告され、医療用大麻の使用に対する支持は、腫瘍専門医と血液専門医の間で最も高く(82%)なっている。

調査結果:医療用大麻を推奨したことがある、あるいは法的に認められるのであれば推奨すると回答した医療従事者の割合が増加している。 

アメリカ疾病予防管理センターCDC (April 2021):CDCが米国の医療関係者を対象に行ったClinician Beliefs and Practices Related to Cannabis(大麻に関連する臨床医の信念と実践)調査では、回答者の4分の1以上(27%)が、患者に医療用大麻の使用を許可したことがあると報告している。

Nurse Education Today (April 2021):米国とイスラエルの看護学生を対象にした調査では、回答者の「大多数」(91%)が、もし大麻を薦めることが許されるなら患者に薦めると答えたと報告している。

調査結果その3:ほとんどの医療従事者は、大麻科学に関する正式な訓練を受けたことがないと認め、大麻に関する教育訓練をカリキュラムの一部として行うべきであると考えている。

Complementary Therapies in Medicine誌 (May 2021):医療用大麻の状況が発展している一方で、現状、医学生およびアライドヘルス研修生は、この臨床医療の新興分野についての適切な教育受けておらず、知識をもち合わせていない。この調査結果は、彼らが患者のカウンセリングや教育に適切なレベルの知識をもつために、医療用大麻に関するコンピテンシー高い業績や評価されるような成果を出す人に共通してみられる行動特性)ベースのカリキュラムの実施が不可欠であることを示唆している。

Nurse Education Today (April 2021):本研究は、医療用大麻を使用する患者数の拡大に鑑み、看護師に対する医療用大麻教育を学術・臨床カリキュラムに取り入れることの重要性を浮き彫りにしている。

Cannabis and Cannabinoids Research (March 2018):看護規制機関は、学術機関や政府機関と連携して、CTP(治療目的の大麻)に特化した教育・臨床能力の開発に取り組む必要があり、NP(ナース・プラクティショナー:医師の指示を受けずに自ら診察や検査、投薬、薬の処方ができる上級看護師のことを指す。臨床医と看護師の中間職と位置づけられ、「特定看護師」とも呼ばれる)がもつ知識のギャップや、CTPをケアの一環として取り入れる際に直面する臨床的な障壁に対応した、テーラーメードの教育プログラムが必要であると報告している。

Drug and Alcohol Dependence (November 2017):医学部のカリキュラム担当者の75%以上が、卒業生が医療用大麻に関する患者の質問に答える準備が全くできていない、または少ししかできていないと回答している。私たちの研究は、州レベルでの医療用大麻の合法化と、医療用大麻に関する患者の質問に適切に対応する、あるいは適切に処方する医師の能力との間の根本的なミスマッチが、潜在的に拡大していることを浮き彫りにしている。医療用大麻の合法化を目前に控えた多くの州では、政策と医師のトレーニングのミスマッチを解消し、医療用大麻の使用による潜在的な利益の獲得と有害な影響の最小化に最善の支援ができるようにしなければならない。

American Journal of Pharmaceutical Education (August 2015):本研究の学生は、薬学カリキュラムにおいて医療用大麻の使用に関する教育をほとんど受けていないと回答。しかし、90%は何らかの正式な教育を受けるべきである回答している。

MM411 APAC 統括責任者。日本のカンナビノイド医学教育発展のため尽力する。アジア全域のグローバル日本企業への人材及び組織開発の教育研修設計に従事。また名門ベンチャーキャピタル投資顧問会社セコイアキャピタル日本顧問、日経機関投資家アンケートトップ業界アナリスト入賞。CNN出演。早稲田大学・スタンフォード大学ビジネススクール

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