トップに戻る
シェア

北海道ヘンプ協会が緊急声明を発表

カート・ハーン 02/03/2021 0 comments

北海道において産業用大麻の普及啓発活動を行っている北海道ヘンプ協会は、厚生労働省「大麻等の薬物対策のあり方検討会」発足に接し、当協会の主張を緊急声明として発表しました。

大麻草への希望

厚生労働省の「大麻等の薬物対策のあり方検討会」発足の報に接し、北海道において産業用大麻の普及啓発活動を行っている当協会として、その検討内容について多大な懸念を抱かざるを得ない。ここに当協会の主張を緊急声明として発表する。検討会の開催要領によれば、検討の目的は専ら大麻規制を含む薬物関連法制と薬物対策のあり方に関する議論が中心であり、報道等によれば使用罪の導入などが検討されるという。こうした議論によって大麻草が危険な薬物との間違った認識が国民に広がり、本来は有用な農作物であり、縄文時代から利用されてきた伝統文化的にも重要な大麻への偏見が助長される恐れがある。

大麻取締法は、THC(テトラヒドロカンナビノール:マリファナの有効成分で日本では合成品が麻薬に指定)の有無、多少によらずすべての大麻草を規制対象としており、この成分を全く含まない海外のヘンプ(注)までも栽培禁止とする極めて不合理な法律である。まずは、こうした大麻取締法と運用上の問題について、科学的な知見に基づく国民に公開された議論によって適正な法整備を提言していただきたい。大麻草には、THC の含有量が多い薬用型から THC の含有量が極めて少ない繊維型まで多様な品種があり、EU では THC 含有量 0.2%未満、カナダ、米国、中国では THC 含有量 0.3%以下の品種を産業用ヘンプ(注)と定義し、登録品種であれば国の定めた規則に従ってだれでも栽培することが可能である。これらの国々では、ヘンプの茎、葉、花、子実を原料として、衣料品、食品、化粧品、建材、自動車内装材、飼料、敷料、漢方薬、CBD オイル、医薬品など、環境や人にやさしい多様な商品が製造販売されており、その市場は右肩上がりに成長しているという。こうしたヘンプ産業は、持続可能な社会にむけた新たなアグリビジネスとして世界中で注目されている。

日本における現在の障壁 

北海道では、2013 年に道庁農政部が事務局となって、有識者による北海道産業用大麻可能性検討会(座長:松井博和北海道大学名誉教授)を設置し、2014 年からは官民による試作栽培を開始するなど 2019 年まで約 6 年間にわたって農作物としてのヘンプの可能性を検討した。その結果、ヘンプは北海道農業にとって有用な畑作物であることを認めたが、現行大麻取締法下での普及については課題の多いことを指摘した。また、北海道議会は、2017 年 12 月に「産業用大麻の産業化に向けた必要な環境整備を求める意見書」を全会一致で決議し、内閣と国会に提出している。

このように大麻取締法は、ヘンプを普及させる上において大きな障害となっている。昭和 23 年(1948 年)に制定された大麻取締法は、大麻草の栽培を実質的に禁止しており、特に、花と葉およびそれらの製品はすべて違法であり、所持するだけで厳しく罰せられる。葉や花の利用が合法な国で製造された製品も日本国内では違法となり、輸入できない。また、種子と成熟した茎とその製品は合法だが、本来合法である種子については、明白な法的根拠がないのに発芽能力のある種子の輸入が禁止されており、海外の優れたヘンプ品種の試験栽培すらできない。医療用や嗜好用大麻でさえ合法化が進む米国など諸外国の法制度に比べ、日本の大麻取締法は、あまりに時代遅れの法律と言わざるを得ない。

以上のように、わが国における産業用大麻の栽培、加工、輸入、試験研究を阻んでいるのは、現行の大麻取締法であることは明らかである。海外のようなヘンプ産業をわが国でも発展させ、産業用大麻に関する国益を守るためには、大麻取締法と関連法令を一刻も早く改正し、産業用大麻を法制度にきちんと位置付け、薬物規制と産業振興のバランスを取る必要がある。

下記は、あり方検討と現行の大麻規制に対する当協会の見解ないしは要望である。検討会の座長ならびに検討委員各位には、これらに関しても公正な議論を尽くしていただきたい。

政府の新委員会の基本ルール 

1 月 13 日に設置された同上検討会の開催要領、第 1 回検討会資料ならびに報道等から判断して、その検討内容、検討のあり方に大きな懸念があり、以下を指摘または要望する。あり方検討に際しては、国民に開かれた議論を行うため、薬学、法学関係の専門家のみならず、医学、農学、社会科学など関連する科学分野の専門家を検討委員に加えるとともに、ヘンプ産業(栽培、加工、流通、販売)に関わる国内外の経営者、関係者、さらには一般消費者、患者などからも広く意見を聞くべきと考える。検討会の座長以外の委員が明らかでないが、検討委員名と議事録はすべて公開とし、国民に開かれた科学的、民主的な議論を行っていただきたい。

大麻の定義

開催要領には、THC が少ない産業用大麻に関する言及がなく、大麻取締法の第 1 条の大麻の定義に関する見直しが明記されていない。現行法では、THC の含有量の多少にかかわらず、Cannabis sativa L.に属する大麻草は原則として栽培禁止となっているが、全ての大麻草を一律に禁止するのではなく、栽培目的と THC の含有量によって品種を区分し、区分に応じた適正な規制をするべきである。現行法では、花と葉は違法、茎と種子は合法とする部位別規制が行われているが、THC を含まない花と葉の利用を禁止する合理性はないので、このような部位別規制は廃止する。

産業用ヘンプの定義 

THC が 0.3%未満の大麻草を産業用大麻として大麻取締法の第 1 条で定義し、THC0.3%以上の他の大麻草と区別し、通常の農作物に準じて扱えるようにする。栽培は、従来通り都道府県知事が許可する免許制で良いが、免許の審査基準を明確化し、一定の要件を満たせば、だれでも免許を取得できるようにする。国は、都道府県の知事の許認可事務に対する干渉を控える。産業用大麻の法的規制は農林水産省の所管とし、国の責任において産業用大麻の振興政策を推進し、品種開発、栽培法、利用法に関する研究を行っていただきたい。海外の優れたヘンプ品種の種子の輸入が可能となるよう貿易管理令等を改正し、輸入公表に播種用ヘンプ種子の項目を新たに加え、加熱処理の適用外とする。

医療用大麻と嗜好用大麻 

当協会は、今回の検討会において、医療用大麻及び薬物対策のあり方に関する議論を行うことを評価する。特に緊急性の高い医療用大麻については、法整備を急ぐべきと考える。当協会は、検討会を契機に、医療用大麻及び嗜好用大麻に関して、人道的配慮、科学的知見ならびに国際的な動向を踏まえた国民的な議論と理解が進むことを望む。当協会は、産業用大麻の振興に妨げとなるような医療用大麻及び嗜好用大麻に関する過度な規制施策と法改正に反対する。

本稿では THCの少ない大麻草をいい、日本の麻を含む。産業用ヘンプ、又は単にヘンプともいう。

 

2021 年(令和 3 年)1 月 31 日

一般社団法人北海道ヘンプ協会

連絡先

一般社団法人北海道ヘンプ協会 Hokkaido Industrial Hemp Association

https://hokkaido-hemp.net/index.htm

代表理事   菊地治己     E-mail:info@hiha.jp

MM411 APAC 統括責任者。日本のカンナビノイド医学教育発展のため尽力する。アジア全域のグローバル日本企業への人材及び組織開発の教育研修設計に従事。また名門ベンチャーキャピタル投資顧問会社セコイアキャピタル日本顧問、日経機関投資家アンケートトップ業界アナリスト入賞。CNN出演。早稲田大学・スタンフォード大学ビジネススクール

jaJapanese